前回のエントリーで書いた、もともとは$TECL一本の主武装を、なぜ$TQQQと二つに分けたかって話。
多少被るところもあるけど。
220506-あり得ないなんてことはあり得ない

なぜTECLだったか
そもそもなぜ私が$TECLというハイリスクハイリターンの商品に手を染めたかと言えば「短期間で大金が欲しいや!」という純然たる100%邪な考えからです。

まぁ歳も歳だしね……? 小さい資金を少ない時間で大きくしようとしたら、必然的に大きなリスクを取らざるを得んのよね……。
そんで、ハイリスクハイリターンのヤベェ商品のうち、日本の証券会社で買えるものってそう多くはなかったので、一番伸びてるハイテクを選んだ、とかそんな理由。

まぁなんというか、若い人が羨ましいよ! こんなに環境が整ってる今時分に、時間を味方につけながら投資ができるなんて!
もし今私が20代だったなら、無駄にハイリスクな商品なんかに手を出さず、少ないながらもじっくりこつこつと$VT(全世界株)あたりに積立て……
……なんてしねぇ! 当時から$TECLにぶっ込んでたと思う!

だから年齢とか関係なく、単純に知性の問題ですね。辛い。

戦略としてのTECL(ハイリスク商品)
ただ少し真面目な話をすると、「若いからハイリスク商品にブッ込む!」「歳だからハイリスク商品にブッ込む!」も、どちらも戦略としては十分アリと思っている。
取り返しがつくかつかないか、という超重要な違いはあるけども……。

「若いからハイリスク商品にブッ込む!」
時間こそ最大の味方! 全てのリスクは時間によって均される!……わけではないんだけど($TECLがITバブル崩壊に飲まれていたら未だに床を舐め続けてるはず)、仮に大暴落に巻き込まれて床ペロしたとしても、そもそも資産額がそんなに大きくないだろうし、20代なら何度だってやり直しがきく。

なので、全ぶっぱはお勧めしないけど、資産の半分以上をハイリスク商品に突っ込むのだって全然アリだと思っている。

ただ現実的には、若くて投資経験が少なく、メンタルもまだ育ちきってない状態で「ホンモノの暴落」に巻き込まれたとして、最大の味方である“時間”を心から信じられるか? もう少し砕いて言えば、心を折らずに持ち続けられるかと言えば、割とそうではないだろうな、と思う。

特に、TwitterとかYouTubeあたりの無責任なインフルエンサー()に唆されて変なムーブかましたりしそう。
底の底で売ったりとか、逆に高値掴みしたりとかね。

なので、そうした現実問題と戦略の両面から見た場合、最初の資産の20%くらいを$TECLなどのハイリスク商品に、80%くらいを全世界株に振り分けて、月々浮いたお金で少しずつ$TECLを買い増していく、みたいなのが良さげ(いや今5秒で考えた戦略だけど)。
個人的には若いうちは債権はいらんと思うので、全て株式で(REITとかも混ぜて良いとは思うけど)。

「歳だからハイリスク商品にブッ込む!」
私がこれにあたりますね。「選ぶ」というポジティブな選択ではなく、もはやそれ以外「選択肢がない……!」という超絶ネガティブな戦略です(いや戦略とはいえんけど)。

失敗したら後がない。とはいえ、失敗しないように安定した資産運用をしたとてもう時間は味方してくれない。投資元本が少なすぎてそれじゃ増えない。
ならばいっそ……! ということですね。

どーせこのままローリスクな運用したってたかが知れてますし、少ない時間で少ないお金を増やすならこれ以外手がないってことです。
あとは臓器(腐りかけ)でも売るか。

失敗してもしなくても冴えない人生なのは分かってますから、ならば夢を見て散ろう! そういう気持ちです。

ただし、借金は負うな!(ガンガン信用取引をしつつ)

なぜTQQQと分けたか
その後ろ向きにポジティブな姿勢で$TECLを選んだ私が、$TQQQにも手をだした理由といえば

  1. 償還リスクを少しでも下げたい
  2. $TQQQを購入できる環境になった

このあたりでしょうか。
2についてはアメリカの証券会社を使い始めたため購入が可能になった、というだけなので割愛。

そんで1。償還リスク

TECLの償還リスク
償還。もはやこれだけが恐怖の対象ですね。
3倍レバレッジETFを保有している人が共通してもっている恐怖の対象。
ホンモノの「終わり」。

昨今の下落相場(すでに元本30%くらい削れてる)にあっても強気の姿勢を崩さない私も、これだけは、身体中の穴という穴からゲル状の何かを吹き出しながら消滅する自信がある。


では$TECL(あるいは$TQQQ)の償還リスクはどれほどか、といえば、20年くらいの期間で見れば「かなり高い」と思ってます。
だって、2000年を超えてからまだ20年ちょっとしか経ってないのに、ITバブル崩壊にリーマンショック、大小さまざまな戦争……。
同じことが、今後20年起きないわけがないので(というか現在絶賛戦争中ですし)。

「あり得ないなんてことはあり得ない」。某有名漫画のセリフらしいですが、特にリスクを背負った運用をする場合は肝に銘じたい名言ですね。
少なくとも、既にあったことは起こり得る。

リーマン級ならギリギリ耐えるかな……? とも思いますが、ITバブル崩壊級は無理でしょうね。
どこかのブロガーさんの試算では、ITバブルのピークから底にかけて、資産価値は99.95%下落するとされていました。

99.95%下落て……。
えーと……100万円が500円になる感じか。1億円が5万円!?

いや、償還さえされなければ、1億円の価値があったものを5万円で買えるわけだから、その後の反騰を夢見て買い漁るとかでなんとかなりそうですけど(そんなメンタル無ぇけど)、そこまで落ちれば運用できずに償還されるでしょうね……。

よくてレバレッジが2倍に下げられて運用続行とかでしょうか。
それにしたって、下振れのリスク3倍受け切って実現させた後に、リスク下げられたら這い上がる目がなくなるわけですし、まぁやっぱ詰みですね。

じゃあTQQQはどうなんよ?
と問われれば、$TQQQにも当然償還のリスクはあるんですよね。
しかも同じくらい。
でも微妙に差はあって、また運用会社も違うことから、一方が生き残って一方は償還、ということもなくはない。
場合によっては、$TECLは無事で$TQQQは償還。「$TECL一本にしとけばよかったッ」と悔し汁で枕を濡らすこともあるかもしれません。
まぁどうなるかわからないので、確率が低そうな方を組み込むしかないんですよね。

で、$TECL$TQQQの償還リスクはといえば、償還される条件がどこかに書かれてるならいいんですけど、そういうわけでもないのでこれはもう想像するしかない。
ただ一般的に、「運用が困難になったら」という理由が主ですので、総運用資産額が多い方が防御力は高かろう、と。
そういう意味では現在$TECLの運用資産が$2.06B、$TQQQが$15.48B ですから、7倍以上の差がある。

日本では$TECLの方が知名度が高いと思うんですけど、それは単純に、日本の証券会社から$TQQQを購入することができないためで、世界的には圧倒的に$TQQQの方が有名、というか注目されてるんですね。

その他の情報についても、表にまとめてみましょうか。出典はETF.comBloombergです。
※両者で一部データが違う部分がありますが、どちらが正しいかは分かりませんでした

銘柄名 TECL TQQQ
運用会社 Direxion ProShares
設定日 2008/12/17 2010/2/11
資産総額 $2.06B $15.48B
構成銘柄数 80 116
1日平均出来高 $0.169B $5.18B
年初来リターン -49.21% -54.01%
3年トータルリターン 38.72% 31.40%
構成銘柄トップ3 DGCXX 4.94%
DIRXX 4.59%
AAPL 4.35%
AAPL 3.85%
MSFT 3.13%
AMZN 1.87%

こうして比較すると、結構違うもんですね。
$TQQQはNASDAQ“100”に連動しているから、てっきり100銘柄だと思ってたんですけど。
それに、どこで誤解したのか不明ですが、$TECLはもっと構成銘柄多いと思ってたんですけど違いました。
ただ、分散という意味で言えば、80と116はほとんど誤差みたいなものですので、数字自体は気にする必要はあまりなさそうです。

また、長期運用には関係ありませんが、スキャルピングをするなら1日の平均出来高数が圧倒的に大きい$TQQQの方が適しているのかもしれません(今夜あたり試してみるか)。

それより意外なのは構成銘柄ですね。$TQQQの方はお馴染みの銘柄が揃ってますが、TECLの上位2銘柄は債権ETFみたいですねこれ。
初めて見たんですけど、この下落期に$TQQQよりパフォーマンスが良い(マシ)なのはこの辺が影響してるのかもしれません。
とすると、$TQQQよりも償還リスクは存外小さいのかもしれませんね。

尚この$DGCXXで検索すると、$TECLを紹介するブログばかりヒットしますが、それくらい、あまり馴染みのないETFなんでしょうね〜 笑。

というわけで、どちらの方がリスクが低い! とは言い切れず、どちらも良い点・悪い点があるということが分かりました。
それだけでも分散する意味があるというものですね!

そして最後に、重要なリターンを見ていきましょう!

TECL、TQQQ、それぞれのリターン比較
まずは5年間の比較です。5年前の価格を基準にした、成長率での比較です。
以下、$TECLが水色、$TQQQが青で表示しています。

え、200%くらい差が開いてるんですけどなにこれ……。 220506 TECLとTQQQの比較 5年


続いて1年。ひっど 笑。いずれも1年前と同じかそれ以下まで下がってるんですね。
220506 TECLとTQQQの比較 1年


半年。地獄かな?
220506 TECLとTQQQの比較 半年


ということで、どの期間で区切っても$TECLが圧勝してますね!
$TQQQに分けたことを少し後悔……。
私の認識では、$TECLが強い時も$TQQQが強い時もあって、交互に有利不利を行ったり来たりしてる、だったんですが……。

まぁいいや。目的は分散ですからね!(負け惜しみ)

では最後に、この方法でリバランスを続けてるとどんな結果になるかっていうグラフ(赤がリバランスしたPF、$TECLが水色、$TQQQが青)
220506 TECLとTQQQをリバランスした結果

結論、誤差!! ★★