みんな、ゲームは好き?
ぼくはね、ゲーム大好き!(43歳)

本日9月15日(水)から18日(日)までの4日間、幕張メッセにて東京ゲームショーが開催されてますね。
過去2年、コロナウィルスの影響でオンラインでのみの開催でしたがが、今年は幕張メッセでリアル開催されるようです。
※15・16日はプレス・業界向けのビジネスデイ。一般向けは17・18日

最近ではスプラトゥーン3の発売を受けて任天堂株が大幅に上がったとニュースになってましたが、そんなゲーム業界に賭けたいあなたにピッタリなETFを今日は取り上げてみましょう。

その名もHERO
例えば任天堂株なんて今63,000円くらいしますよね。
単元株(売買できる最小単位)が100株ですので、つまり任天堂株を買うには最低でも630万円は必要です。
とてもじゃないけど……手が出ません!

また、如何に天下の任天堂であれ、永劫飛び続けるわけはありませんし。
何かしらのスキャンダルや戦略ミスで大きく株価を損なうことも考えられます。
つまり、その企業が好きだからといって、一つの企業に大きく振るのは危険。

そこでおすすめなのが、ゲーム業界のテーマ型ETF、HEROです。
※おすすめといっても、別にすすめません。理由は後述しますが

その前に、ETFってなんぞや?
ちょっと寄り道しますが、投資にあまり興味がない人だと知らない人も多そうなので、さらっと。
ETFとはExchange Traded Fund(s)の略で、日本では上場投資信託と呼ばれてます。
なんだか……意味がわかりませんね……。

これは、購入・売却の手続きをして売買される投資信託(ファンド)を、普通の株のように市場で簡単に売買できるもの。
投資信託とは運用会社が集めた資金を様々な株式や、債券などのアセットに……といっても難しいのでつまり。

多数の企業(株)のセット売り

ってことですね。
めちゃくちゃざっくりしてますが。

「セット売り」と聞くと、売れない商品との抱き合わせみたいなイメージを持つかもしれませんが、投資の世界では一般に、一つの企業に賭けた場合、そこに何かスキャンダルがあった場合、回復不能なダメージを受ける可能性があるため、複数企業に分散するのが良いとされています。

つまり、こうしたセットで買ってしまえば、一つ一つの企業リスクが分散されて低下するってことですね! まぁお得!
しかも、任天堂のような大型株を個人で買うのは難しいですが、このセットの中に任天堂があれば、皆で拠出したお金でそうした大きな株も購入できてしまうというわけです。

そして、これら“セット”は特徴(テーマ)によって色々販売されており、例えば最近ではESGに特化した企業のセットや医療関係の企業のセット等、年々その数を増しています。
22年9月現在、日本の運用会社が販売してるものだけでも270商品を超えています。

そんな、数あるセットの中で、ゲームをテーマにしたETFが、グローバルX社が運用するHEROというわけですね。

HERO、その構成銘柄は
ではそのHEROを構成する銘柄(企業)を見ていきましょう。
以下が構成銘柄の上位10銘柄になります。

ティッカー名称国籍割合
RBLXロブロックスアメリカ6.72%
EAエレクトロニック・アーツアメリカ6.31%
TTWOテイクツー・インタラクテ・ソフトウエアアメリカ6.25%
NTES網易アメリカ6.16%
ATVIアクティビジョン・ブリザードアメリカ6.04%
7974任天堂日本5.89%
Uユニティ・ソフトウエアアメリカ4.97%
9766コナミグループ日本4.39%
259960クラフトン韓国4.38%
3659ネクソン日本4.34%

上位5銘柄はすべてアメリカ企業なんですね!
その下に日本の企業が3つランクイン。

ちなみに、私が贔屓にしているカプコンは13番目、スクウェア・エニックスは15番目に入っています。
※全構成銘柄はグローバルX社の当該ページから確認ください

国・地域別に見ると、やはりアメリカが33.82%と最も多く、次いで日本23.74%韓国14.69%中国12.31%……と続きます。

「テーマはゲーム」。具体的には?

でも、「ゲームをテーマにした」って、具体的にどういうこと?

一口に「ゲームをテーマにしている」と言っても、ちょっと漠然としてますよね。
具体的にはどういう定義づけがされているんでしょうか?
これはグローバルX社が公開している当該目論見書に載ってますので、これをそのまま転載します。

ビデオゲーム開発/出版、ビデオ・ゲームおよびEスポーツ・コンテンツ配信およびストリーミング、Eスポーツ/チームの運営/所有、ビデオ・ゲーム/Eスポーツ・ハードウェアの制作を主たる事業とする会社を含む、ビデオ・ゲームおよびEスポーツに関連する消費の増加から利益を得ることができるポジションにある上場企業への投資機会を提供するために設計されています。(後略)

なるほど、一昔前ならゲーム会社といえばせいぜいゲームハードを作るかソフトを作るか──くらいしかなかったと思いますが、時代ですね、Eスポーツの運営なんかも含まれているようです。

とはいえ、上位10銘柄を見る限りはやはりゲームソフトの開発が主だった事業内容で、あとはゲーム制作に関連するツールの開発とかそのあたりになるみたいですね。
もっと下の方まで構成銘柄を見ていば、Eスポーツをメインに扱う企業も見つかるのかもしれませんが、そういった企業はまだ小数なようです。

成績、発表~~!
と、色々紹介してきましたが、実際その成績はどうなのか!
見ていきましょう!

まずは直近1年です。
青がHERO、グレーは比較対象のS&P 500です。

2022-09-15 HERO 直近1年

え……、ほとんど直滑降ですね……。
ここ1年、とくに年始から相場全体が下り坂だったとはいえ、比較対象のS&P 500に対しても相当劣後してます。

ま、まぁそういう期間もあるでしょう。
次は直近2年でみてみましょうか!

2022-09-15 HERO 直近2年

ちょ……、昨年(2021年)2月をピークにずっと下がってるじゃないですか……。
この間S&P 500は+18.47%。それに対してHEROは-26.20%と酷い下落の仕方をしています。
どういうことなの……。

じゃあ設定来なら!
このETFができた2019年10月から見たら!

2022-09-15 HERO 設定来

ほらっ! S&P 500よりちょっと強い!
数値が重なって見づらいですが、S&P 500 +28.23% に対してHERO +29.80%!!
ね!?(なにが?)

終わりに
ま……ね……、その……。
そういう銘柄もあるっていう、ね。そういう話でした……。

……と、雑にまとめるのもなんなんで少し真面目に書きますが。
上の設定来からのチャートを見て分かる通り、コロナショックの直後に凄い勢いで上がっていたのが確認できるかと思います。
つまり、とても分かりやすい所謂「巣ごもり銘柄」だったんですね。
規模がこれより遥かに大きいので同じチャートに入れられませんでしたが、例えばZOOMなんかも同じような軌跡を描いて下落していきました。

鳥が空を飛ぶように、人が恋をするように──。
書いてて虫唾が走りましたが、まるでそうするために生まれてきたかのように私はこの上昇しきった後のHEROに手を出し、その後盛大に焼かれました。

最早“さだめ”としか!!

このように、狭い業態に絞られた所謂「テーマ型」と呼ばれるETFは、個別株よりは低いものの市場インデックスよりは高いボラティリティを有しており、またそれぞれのテーマによって流行り廃りが激しいものです。
例えば米国でバイデン大統領が当選したときは、彼が掲げていたクリーンエネルギーのテーマ型ETF、QCLNやICLNは大幅に値を上げました。
その後停滞したものの、昨今のエネルギー不足によってまた値を上げています。

つまり、市場や時勢を上手く読まないと扱うのが非常に難しいETFであり、「この業界に頑張って欲しい」という応援の意味での投資をするのでなければ、初心者は手を出すべきではありません。
というか、出すべきじゃありませんでした……。

ゲーム業界といえばVRやらNFTとの親和性も高く、この先もワクワクするようなモノがたくさん作られると確信していますが、投資先としては私には少し早いかな、と思っています ★★