更新に間が空いてしまいましたね……。

RSIについて調べていたら、期待してたのに裏切られてがっかりし、意気消沈してるところでふと妙な発見をしてしまい、今度はわくわくが止まらなくなったりと、色々振り回されていました。

途中の“がっかりフェーズ”でほんとにやる気なくしてしまって、いつの間にか結構な時間が過ぎてたよ!

さっそくなんですがみなさん、RSIって見てますか?
逆張りで使うあの有名オシレーターのRSI
今日はそんなお話。


さて。

現実のVOOと仮想株、互いのRSIを比べてみた
まずはここが出発点でした。
先日、任意のボラティリティを持つ、ブラウン運動によってランダムウォークする仮想株を作り出す実験をしてましたが。



それを使って生成した、VOOと同じボラティリティを持つ株のRSIを、実際のVOOのRSIと比べたら何か面白いことが分かるのでは? と思って、スプレッドシートをこねこねしてたんですよね。

なんでそんなことをしてたかっていうと、RSIといえば、「売られすぎ」や「買われすぎ」といった市場心理を表すとか言いますが、ならば人の心の及ばない、機械的に生成された株価のRSIと実際のRSIには何らかの違いが出るだろう、と思ったから。

まぁ、最後まで読んでいただけたら分かると思いますが、仮想株とか別にいらんかったんですけどね!

でも発想自体は面白いでしょう?
大したデータや根拠がないままに、まことしやかに噂されるジンクスとかアノマリー。
この投資界隈(と健康界隈)には、本当にこの手の話題が数多く存在しますが、それはどれほど確かなものなのか。

わくわくが止まらない!!

実際比べてみたものの…… 波形を目視で確認してもよく分からない!
さてまず、直近10年のVOOのヒストリカルデータと、同様のボラティリティを持つ仮想株を用意します。
チャートで表示すると下記みたいな感じ(上がVOOで、下が仮想株)。

2022-11-07_VOO

2022-11-07_仮想株

で、任意の日数のRSIを書き出せるツールも併せて作成したので、当該期間のRSIを色々書き出して比べてしまおう! というわけですね。

で、色々比べてみたものの……。

RSI(7日)
まず7日RSIです……が。
上がVOO、下が仮想株のRSIになります。

2022-11-07_VOO RSI

2022-11-07_仮想株RSI

うむ! 全然わからん!
さすがに10年期間だと、細かすぎてわけわかりませんね!

もっと短い期間に区切ればいいんですけど、なんていうかその……この時点でもうちょっと飽きてたんですよね!

RSI(28日)
じゃあ少し算出日数を長めにとって、28日RSI
上がVOO、下が仮想株のRSI

2022-11-07_VOO RSI(28日)

2022-11-07_仮想株RSI(28日)

うーん……違いがよくわかりませんねぇ……。

RSI(60日)
もう少し算出期間を長くとって、次は60日RSIです。
同じく上がVOO、下が仮想株のRSIです。

2022-11-07_VOO RSI(60日)

2022-11-07_仮想株RSI(60日)

う、うん……。やっぱり分からん!

結論:波形をみてもよく分からん
まぁ見た通りですけど、これだけ見てもよく分からないんですよね。
どれも同じに見えるんですよ。

本当に違いなんてあるのぉ?

当然目視で確認が絶対なんて思ってませんので、例えば両RSIのボラティリティを測って比べたりとか色々した(つもり)でしたが、やっぱり大した違いが見いだせなかったんですよね。

で、ここで一旦がっかりフェーズに入ってしまい、早計でしたが、下記のような結論を出したわけです。

結局のところ、RSIには大して意味を見出せなかった。

よくよく考えてみれば、「測定期間内の増減幅に対する上昇幅の割合」というRSIの計算式の構造から、例えば14日RSIの場合14日連続で上昇して初めてRSIは100になるが、確率的にはそれほど上昇が続くことは少なく、単に“結果論として”RSI 70とか80あたりで反落しているように見えるだけ。

コイントスで14回連続でオモテが出ることは稀だが、しかしだからといって、14回連続でオモテがでたならもう次はウラだろう、といった判断が誤りであることは、確率を勉強する際に、真っ先に言われることだ。

この結論はあとで覆るんですが、しかし完全に間違いとも思っていなくて、特に「確率的にずっと上がり続けることは稀なので、結果として高RSI(又は低RSI)から反転しているように見えるだけ」という部分はあながち間違いとは言えないでしょう。
(後段の確率の部分、もちろん一日一日の株の値動きが「同様に確からしい」とは思ってませんが)

仮想株とかどうでもよくて、VOOのRSI値の分布図みればよくね?
上記の結論で話を〆ようと文章を書いていた時、ふと気づいたんですよね。
「VOOのRSI値の分布図みればよくね?」と。

どういうことかというと、仮にRSIが「買われすぎ」とか「売られすぎ」という市場心理を表し、それに反応して反発(反落)するならば、例えばRSI 70以上とか30以下の分布が不自然に落ちるはずでしょう。

つまり、初めから仮想株なんていらなかったんだ!

……と、ちょっと拗ねてしまいましたがしかし、役立たずの烙印を押されたRSIの巻き返しがここから始まるわけですね。

RSIの分布を調べてみた
というわけで、再びRSIの算出期間を変えつつ、それらの分布図を書き出してみました。

一応仮想株のRSIも一緒に示していていますが、これは「人の心理がまったく働かないならRSIはこういう分布をとるはず」というサンプルとしてですね。

では見てみましょう。

まずはRSI(7日)
まずは7日RSIです。10年分のRSIの分布を示しています。
上がVOO、下が仮想株。
それぞれのRSI値のヒストグラムです。

2022-11-07_VOO RSI(7日)ヒストグラム
2022-11-07_仮想 RSI(7日)ヒストグラム

大きな違いはありませんが、仮想株のRSIが左右均等な釣り鐘型なのに対し、VOOは分布がやや右に寄っている感じがしますね。

つぎはRSI(14日)
14日RSI。引き続き10年分の分布データです。
上がVOO、下が仮想株RSIのヒストグラムです。
あまり7日RSIと変わりませんね。

2022-11-07_VOO RSI(14日)ヒストグラム
2022-11-07_仮想 RSI(14日)ヒストグラム

同様に、実際のVOOの方がやや分布が右に寄ってる感じがあるものの、こちらの方が綺麗な釣り鐘型です。

RSI(28日)
つづいて28日RSI
上がVOO、下が仮想株。

2022-11-07_VOO RSI(28日)ヒストグラム
2022-11-07_仮想 RSI(28日)ヒストグラム

RSIの算出期間が長くなるにつれ、極端な数値が出にくくなっていき、上の2つと比べると両者とも分布が中央によってきましたね。
これはRSIの性質から当然の結果ですがしかし……。

……?
こころなしかVOOのRSI分布の右端に、小さなピークが現れましたね。
まぁこのくらいはよくあるデータだとは思いますが。

RSI(60日)
つぎは60日RSI
あまりこれだけ長期のRSIって見ることありませんが……。

2022-11-07_VOO RSI(60日)ヒストグラム
2022-11-07_仮想 RSI(60日)ヒストグラム

おや……? VOOのRSI分布図の様子が……?

VOOの方の分布図が随分崩れてきましたね!
RSI 65以上から急激に分布が減り始めた反面、RSI 90付近の第2のピークが顕著になってきました。

RSI(90日)
最後に、さらに長い算出期間でみてみましょう。
90日RSIです。

2022-11-07_VOO RSI(90日)ヒストグラム
2022-11-07_仮想 RSI(90日)ヒストグラム

60日RSIとあまり変わりませんが、やはり実際のVOOではRSI 65以上から急激に分布がなくなりつつ、RSI 90付近にもう一つ小さなピークができることが分かります。

これらはいったい何を意味しているのか……?

毎度、もっとちゃんと勉強しとけばよかったなって思いますね……。
数学、特に統計学のあたり……。

高校までは理系だったのに……!

ここから分かること
素人なりに、この分布図を見て何かを判断するとすれば……。

機械的に生成した仮想株のRSIは概ね綺麗な釣り鐘型を描くが、実際のVOOはそうではない。
特に、期間を長くとればとるほど両者の差が顕著になる。
このことから、短期ではほぼランダムウォークといって差し支えないが、少し長い期間で見れば確かに市場の動きはランダムではなく、何らかの人の心やファンダメンタルズが関わって動いている。
実際のVOOの、低RSI値側では見られなかったが高RSI値側では急激に分布がなくなる(つまり、加熱しすぎを警戒して売られる傾向が確かにある)
半面、90前後の値にも分布のピークがあり、これはつまり、比較的長い期間(半年前後?)の上昇トレンドが発生することがしばしばあるということ。

といったところでしょうか。
「そんな事知ってるよ!」という方も多いでしょうが、実際こうしたデータを見たことはなかったので、良い調査だったなと思ってます。

少なくともRSI短期ではほぼ役に立たず、長期であればある程度意義のあるもののようで、長期運用を主とした方にとっては、リスクオフのタイミングを測るツールとして機能しそうです。

しかし逆に、長期RSIの分布で、低RSI側の分布が特に減ってないということは、売られすぎを測ることはできないという意味でもあるでしょう。
つまり押し目買いのタイミングを測るには適さないツールだとわかりますね。

おわりに
使えないツール! という結論を急がずに色々見た甲斐がありました。

ここから更に発展させて、「ならばどのタイミングでリスクオフにすればよいのか」とか「その為のRSIの算出期間は何日が適切か」みたいなことをシミュレートするのも面白そうですね!

もっと簡単に、直近10年で、90日RSIが65を超えたタイミングをチャート上にマークするだけでも楽しそう!

調べたいことが次から次へと湧き出てきて困りますね!
(多趣味なのもあって)時間がいくらあっても足りません!

せっかく市場がめちゃくちゃになってることですし(?)、皆さんも色々調査して遊びましょう! ★★