2022-11-12-ゴールデンクロス

先日RSIについて調べていきましたが、今回は「ゴールデンクロス」&「デッドクロス」について調べます。



短期トレードをしてる人は、一度くらいは耳にしたことがあるんじゃないでしょうか?
でも、実際にトレードに生かして利益を上げてるって話はあまり聞きません。

本当のところどうなのか……。
分からないなら調べるしかありませんね!

ゴールデンクロスぅ? デッドクロスぅ!? くだらないねぇ!!
私はこの「ゴールデンクロス」やら「デッドクロス」やらを知った時、こう思ったんですよね。

「バカ……なんじゃないの……?」

すみません、正直に言いますけど本当にそう思ってしまいました!

まずネーミングセンスがダサすぎ!
ファングオブガイア級!
ふふ、開発にメールするぞぃ!

まずそのダサいネーミングセンスでもうお腹いっぱいでしたが、その内容もまた……。


ははぁ。
で、各移動平均線は、5日移動平均線と25日移動平均線の交差で見るのが一般的なんですって?
……あっちゃー……。

※暫く罵詈雑言が続きます。読み飛ばしてください。

あのさー……まず、なんで複雑な要因で動く市場が、「5」と「25」っていう人間の感覚的にキリよく感じる数字の組み合わせでなんとかなるって思うの? そこに疑問を持たないの?

あとRSIにしてもそうだけど、大前提として、誰でも真似できる手法が通用するわけなくない?

長期でみたら資本主義経済は確かに右肩上がりでプラスサムのゲームかもしれないけど、短期で見たらゼロサム、手数料考えたらマイナスサムなわけだよね?
そんな簡単に勝てたら、負けは誰が負うって考えてんの?

誰でも分かる、できる手法があったとしても、そんなもの速攻で刈り取られて我々個人投資家がどうこうできるわけないのに

こんなん信じるなんて壺買って幸せになると思ってる婆ちゃんより酷いでしょ
使い道がある分、壺の方がマシまである

大体、ゴールデンクロスだなんだって、単語ばかりが先走ってて理論やデータがちっともでてこないじゃん
誰でも知ってるなら、大量のデータがあってもいいのに、それが無いってどうなの?

切り抜かれたチャートをちらっと出しながら「ほら! ここにゴールデンクロスが!」とかやってんの見て「わあすごい」って思うとしたら絶対投資向いてないって

……といった罵詈雑言が、一瞬で頭の中を駆け巡りましたよね。

めっちゃ早口で言ってそう

しかし、「バカ」の一言で切り捨ててしまっては、何も考えずに信じてしまう人たちと方向が違うだけでやってることは同じですので、ちゃんと調査していきましょう。

前置きがほとんど罵詈雑言で埋まりましたが、それなりに労力を使って調べた結果、「これやっぱりなんの役にも立たねぇな」って結論に至りましたので、ぶっちゃけもう読む必要はほぼないです。



直近10年のVOOでシミュレートしてみる
調査方法
毎度お馴染みの$VOOですね。
アメリカの市場インデックス、S&P 500をベンチマークとするヴァンガード社のETFです。
このVOOの、直近10年のヒストリカルデータを使い、下記2つの戦略をとって結果を見ます。

ゴールデンクロス戦略。発生したらロングポジションをとり、デッドクロスが発生したら手仕舞い
デッドクロス戦略。発生したらショートポジションをとり、ゴールデンクロスが発生したら手仕舞い

上で述べた通り、本気で興味なかったんで、ポジションを建てるのはいいんですけど、手仕舞うタイミングがよく分からなかったんですよね。
なので、適当に反対のクロスが発生したら手仕舞うこととしました。

「そうじゃなくて、◯%で利食いしろよ〜」とか言う人もいそうですが、ざっと目で追って確認した限りでは、利食いした方が成績悪かったです。

さて、短期5日, 長期25日という一般的に推奨されている組み合わせが意味をなさないだろうというのは感覚として分かると思います。
感覚というか、ゼロサムゲームにおいて、みんなが知ってる情報は何の役にもたたないのは必然ですので、この組み合わせだけ調べても無駄ですね。

なので、長短様々な移動平均線の組み合わせを調べてみました。
短期は5日〜12日、長期は10日〜150日(40日以上は10日きざみ)。
えーとざっと330パターンですかね。
※当然、短期移動平均線の日数より長期側が短くなる組み合わせは省いてます。

結果
まず、VOOは2012年10月18日の133.52ドルから2022年10月17日に337.00ドルになりました。
この10年で2.52倍(+152%)になった計算です。
つまり、ただガチ保してるだけで、資産がそれだけ増えたったことですね。

これを超えることが大前提。
では見ていきましょう。

シグナルが出るのを毎日待って、トレードの度に税金取られて、その上リターンが悪いってなったら笑い話にもならないからね!

ゴールデンクロスの場合
ゴールデンクロスが発生したらロングポジション、デッドクロスが発生したら手仕舞う戦略。

もっとも良かった移動平均線の組み合わせは、短期7日と長期110日
結果:+150.87%
保有期間:2938日(土日、祝祭日を含む)
トレードの勝ち数:10、負け数:6
ガチ保が+152%ですから、肉薄してますね!


逆にもっとも悪かった組み合わせは、短期5日と長期10日
結果:+8.04%
保有期間:2371日
トレードの勝ち数:58、負け数:79
はは。こんだけトレード繰り返しながら、10年で1割も増えませんでしたね。

尚、多くの方が推奨する組み合わせである、短期5日と長期25日はというと
結果:+63.29%
保有期間:2463日
トレードの勝ち数:30、負け数:34
それだけ聞くと、まぁまぁな感じはしますが、ガチ保の+152%と比較したら全然だめですね。


調べた330個の組み合わせに限れば、ゴールデンクロスのリターン平均は+67.41%で、やはりガチ保に遠く及びませんでした。

デッドクロスの場合
デッドクロスが発生したらショートポジションをとり、ゴールデンクロスが発生したら手仕舞う……という戦略のはずだったんですが……。

結果は全部、思い切りマイナスでした。

どの組み合わせも全てマイナス。
10年ガチ保が+152%に対し、デッドクロスは全部マイナス。

全く話になりませんでした。
(あまりにダメな結果だったため詳細データがもうない)

しかし、「だめ」の一言で済ませたら面白くありません。
全部マイナスになるっていうなら、逆にデッドクロスでもロングポジション取ったらプラスだよね? ってことで、やってみました。

この場合、ゴールデンクロスの逆の結果で、
もっとも良かった組み合わせは、短期5日と長期10日
結果:+131.79%
保有期間:1547日
トレードの勝ち数:99、負け数:38


もっとも悪かった組み合わせは、短期7日と長期110日
結果:+11.17%
保有期間:695日
トレードの勝ち数:10、負け数:5


みなさん一押しの組み合わせ短期5日と長期25日
結果:+73.82%
保有期間:1263日
トレードの勝ち数:52、負け数:12


デッドクロスの、調べた中での平均は+67.68%でした。
ゴールデンクロスの平均とあまり変わらないですね。

結果からわかること
ロングポジションをいかに長く取ってたかが鍵
まず、一応「デッドクロスでショート」という戦略のフォローをしとくと、そもそもVOO(S&P 500)は直近10年ではほぼ綺麗な右肩上がりをしています。
なので、このなかでショートポジションとったら、そりゃ上手くいきませんね。

そして同様に、ずっと右肩上がりだったのなら、保有してる期間が長いほど良い成績なのも当然でした。

デッドクロスでのロングポジションは、勝つ確率が高い
今回の調査でもっとも大きな収穫だったのはこの部分。
勝ち数と負け数を追っていただきたいんですけど、デッドクロスでロングポジションを取った場合、勝つ確率がかなり高いんですよね。

ここでは(面倒くさいんで)、BestとWorstしか掲載しませんでしたが、他の組み合わせでもこの傾向はずっと同じで、とにかくデッドクロスでのロングは勝率が高い。

しかし、それと引き換えに、低い確率で発生する負けがとても大きい。
つまり、所謂「こつこつ、ドカン」が起きやすいのがこの戦術ってことですね。

もう少し深掘りすると──デッドクロスに限らない話かもしれませんが──、大抵の押し目買いは成功するということ。
しかしたまにそのまま下落を続けて積み重ねた利益を吹き飛ばすことがある、ということですね。

だから、この辺りは「ドカン」を喰らわないように、適切な損切りラインを定めれば、なかなか面白い運用ができるのでは? と思いました。

「じゃあその損切りラインは?」と、目視でですがいろいろ探しましたが……
見つけられませんでした!

「損切りしたから助かった!」というケースと「損切りしたせいで損失がデカくなった」というケースが相殺して、目に見えて利益が伸びるってことはなかったんですよね。
重ねて言いますが、この損切りラインに関しては目視で確認しただけでデータを取ったわけではないので、断言はできません。

でも一つの戦略として、何か一筋の光を見た気がします。

調査はもっとやるつもりだった
実は今回はVOOだけの結果を掲載してますけど、仮想株4つのケースも調べてたんですよね。

当初の予定では、VOOでガチ保を上回るトレード手法が見つかり、その堅牢性を確かめるために仮想株含めた多様な株でも同様の結果を残せるかのチェックをするつもりでした。

そしたらガチ保に勝てるトレード手法がなかったっていう……。

でもまぁせっかく仮想株も用意したし、と片手間でいろいろチェックしたんですけど、ダメでしたね。
例えばVOOでそこそこの成績を残した、ゴールデンクロス戦略の7日と110日の組み合わせは、他の株価推移では役にたちませんでした。

ゴールデンクロスのトレード調査
※緑が濃いほど成績が良い。つまり横方向に濃い緑がならぶ組み合わせがあれば、それが最良の、長短移動平均線の組み合わせということになるが……。

トレードの結果を、各銘柄ごとに縦にズラッと並べていき、横方向に同じ長短移動平均線の組み合わせ結果が並ぶようにする。
そうすると、もしかしたら、どの銘柄でも高い成績を残せる組み合わせが浮き出るかな? と思ったんですけどね。
ありませんでした。

もっとも、ゴールデンクロスデッドクロスも、一応論理的には需給のバランス、人の心理を反映したトレード方法になりますので、それらの思惑が及ばない仮想株を比較対象にすることが適切かどうかというと、ちょっと疑問ですが。

債券やゴールドなんかのチャートを持ってきた方が良かったかも……

終わりに
というわけで、ゴールデンクロスデッドクロスはほぼ意味なく、ガチ保してる方がマシ、というつまらない結果になってしまいました。

ただ、デッドクロスが押し目買いのシグナルとして機能する可能性や、その勝率の高さ、負けた時のダメージの大きさなんかはいい発見だったと言えます。

ガチ保できない理由が何かある人以外はなかなか取りづらい戦略と思いますが、例えば既にフルインベストメント状態で、あとはMargin Cash(信用)を使うしかない! みたいな場合。
ここぞというタイミングで使う戦略としてはまぁまぁありかな、と思いました。

ぼくが使ってる海外の証券会社は金利が鬼のように高いから(年利9%くらい)、Margin使ってやるほどの意味はないかな〜

それにしても……

長短の組み合わせを入れると結果がでるように関数組んでましたが、それぞれの銘柄の結果を並べていくのは全て手作業でしたので、330パターン×5銘柄で1650回作業してたんですね……。

それで結果が「意味ありませんでした 笑」とか地獄ですね。
まぁ、意味ないということが分かったというところに、意味があるんで、良しとしますか! ★★

追記
あ、遊び半分でアンケート作ったんでよろしければご回答ください。
今回のゴールデンクロスやらデッドクロスやらは、この項目でいえば1の移動平均線ですかね〜?