日本の証券会社でもショート(空売り)どころか、信用取引さえしたことがなかったので、海外の証券会社であるFirstradeで初めて行うショートは分からないことだらけ……。
手探りで進む中、分かってきたことを書き留める備忘録です。
ロングしかしたことなかった私にとってはかなり斬新!
ロングポジションは素直に福利の効果を受けますので、資産が増えれば増えるほど、加速度的に増加速度が上がっていきます。
例えば。
ある株を100ドルで購入したとして、これが3日連続で10%ずつ上昇したとすると……
前日比を見ると、徐々に上昇力があがっていっているのが分かると思います。
こんな感じですね。
これが福利のパワー!

ところが……。
ショートはロングの逆になるんですね。
例えばある株を100ドルでショート(空売り)したとして、これが3日連続で10%ずつ下落したとするとどうなるか。
……と、含み益の上昇力が次第に下がってくることが分かります。
こんな感じ。

逆にショートした銘柄の株価が上昇してしまった場合、つまり損失が出ている場合は、福利の効果を受けて、損失が加速度的に大きくなるわけですね!
ショートの恐ろしさを「買いは家まで、売りは命まで」といった言葉で表すことがあります。
これはショートの持つ特性のうち、「利益は限定(売建てた額まで)、損失は無限大」という部分を説明したものだと思いますが、しかしこのように、利益側と損失側で加速力が違う点も抑えておきたい部分ですね。
これも意外な発見でしたね。
(というか、私が間違った考え方をしているだけかもしれませんが)
どういうことかというと。
ロング同士のPFの場合、例えばA株とB株を6:4の比率でPFを組むとして。
時がたち、市場の変化によってこの比率が7:3といった風にずれていった場合、これを元の比率6:4に戻すことをリバランスといったりしますよね。
具体的には、利益が出ているAを売り、損失が出ているBを買ってそれらの比率を調整することになります。
つまり、ロングポジションのリバランスとは、いわゆる逆張りの戦略と言い換えることができます。
では今度は、ショート同士のPFを考えてみましょう。
A株とB株をショートし、そのポジションサイズを6:4としたとして。
これが市場にもまれ、7:3にずれたとすると、何が起こるか。
Aは株価が上昇して損失が出、Bは下落したため利益が出るわけですが。
これを元の6:4にリバランスしようとすると、損失が出ているAのポジションを縮小し、利益が出ているBのポジションを増やすことになります。
つまり、ショートポジションをサイズによってリバランスするということは、順張り投資と言えそうです。
こんな具合に、「ポジションサイズ」に従ってリバランスをすると、ロングとショートで運用のポリシーが真逆になってしまうってわけですね。
ではこの2つを含んだPFでリバランスをするとどうなるか。
……ど、どうなるんでしょうね……
いえ、どうもこうも上で示した通り、ロング側は逆張り、ショート側は順張りのポジション調整がされることになるんですね。
だからどうだってこともありませんが、このあたり、混ぜこぜにしてリバランスすることに、リバランスというものに論理的な意味を持たせたがる層はどう解釈してるのか気になります。
まぁそういう層が、PFにロングとショートを混ぜるなんてなさそうですし、そうでなくてもロングとショートをPF、というかひとまとめにして投資戦略を練ってる人は稀だろうとは思いますけども。
そもそも長期間ショートすることが稀じゃろうし……
PFと見做すかどうかは別としても、実際に「限られた資産」という枠のなかでやりくりする以上、ショートポジションだってそのサイズは意識されてるはずです。
何に依拠してるのか、今一度振り返ってみたいものですね。
というわけで、砂場で見つけた珍しい石を誇らしげに親に見せる児童のような記事、いかがでしたでしょうか。
冒頭で触れた通り、一切ショートに触れずに生きてきましたので、目にする全てが新鮮でこのような記事を書いてしまいました。
同じくショート未経験者、或いは初心の方の一助になれば幸いです。 ★★
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